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ヤタロウズ・グラノーラのお取り扱い。

My granola story by yataro matsuura 

アメリカで、グラノーラを初めて食べたのは、三十年前のこと。
アメリカにおいてグラノーラ(グラノラと発音する人もいる)は、料理好きのお母さんがいる家では、その家ならではのスタイルで作られている、おいしい家庭料理の定番だ。
 はじめてグラノーラを食べた時のことを書いてみよう。ニューヨークに暮らす友人の、ペンシルヴァニアの実家に泊まりに行った時の朝、友人は「ちなみに、うちのお母さんのグラノーラは最高においしいんだ」と言って、大きなガラス瓶に入ったグラノーラを、スプーンでボウルによそって、「さて、ミルクがいい?それともヨーグルト?」と僕に聞いた。その時見せた、友人の得意げな顔が忘れられない。 「ちなみに、僕はミルクがおすすめだけど」と言うので、「じゃあ、ミルクで」と答えると、ボウルのグラノーラにドライフルーツをたっぷりトッピングしてから(この時、友人はウインクした)、ミルクをたっぷりとかけた。「すぐに食べてもいいし、やわらかくなるまで待って食べてもいい。ちなみに(「ちなみに」は友人の口癖)ニューヨーク・タイムズに載っていたグラノーラ好きへのアンケート結果によると、やわらかくなるまで待って食べる人が圧倒的に多いらしい。ちなみに、僕は待たずにサクサクのうちに食べるのが好きなんだ」と、友人は満面の笑顔で講釈をたれた。
 そんなふうにして、友人のお母さんが作ったグラノーラを一口食べた時、そのあまりのおいしさに、今まで自分が日本で食べていた、グラノーラらしきコーンフレークは一体何だったんだ、と僕は衝撃を受けた。
 ほのかに甘くて、サクサクで香ばしく、噛めば噛むほどに味わいが楽しめて、しかもグラノーラからにじみ出た、甘くてスパイシーなうま味と、ドライフルーツの風味がミルクに混ざって一体化した、その豊潤なおいしさといったら、今まで味わったことのない、この世にこんなにおいしい食べ物があるんだ、という驚きでしかなかった。
 僕が「おいしい!」と言うと、「毎日自分の好みでいろいろな食べ方をするんだ。ナッツを入れたり、フレッシュなフルーツを刻んで入れたり、シナモンやはちみつをかけたりとね。合わせるのも、ミルクにヨーグルト、アイスクリームとか、あと、温かいミルクもおいしいんだ」と友人は言った。
 その日を境に、僕はグラノーラに夢中になった。いや、グラノーラ狂になって世界中のグラノーラを食べ比べて、最高においしいグラノーラを探した。そのおかげでグラノーラ好きの友達がたくさんできた。そうしてわかったのは、おいしいグラノーラは探すのではなく、自分で作るしかないということだった。最初は自分のためと友達へのギフトのために毎週末焼くようになった。毎回工夫をするので、どんどんおいしくなるのがわかった。どんどんおいしくなるのと同時に、どんどんシンプルになっていくのが面白かった。グラノーラのおいしさって何? それは「味」ではなく、間違いなく「食感」と「風味」。
 そうして出来上がったマイグラノーラです。今のところ、このおいしさの右に出るのはないと自負しています。ぜひお試しください。